おばあちゃんの初めてのぬらし絵
先日の火曜日のお休みの日に、おばあちゃんとぬらし絵をしたお話です。
おばあちゃんは、ぬらし絵をやったことがありません。
「絵は難しいし、上手に描けないから嫌だな。」と、断られましたが、
「それが、違うんだよ。色を楽しむ時間なんだよ。やってみようよ。」と、火曜日お休みの日にぬらし絵をしました。
おばあちゃんのぬらし絵
「できないよ」と言っていたおばあちゃんですが、
画用紙の上で色が生まれるよ、色を作ってみて。と言うと。
おばあちゃんは、初めは赤色、次は黄色、次は青、それから。
ぐんぐん色を出し、色を重ね始めました。
「金色ができたよ。」
綺麗な青緑だね。
おばあちゃんの家で、おばあちゃんの初めてのぬらし絵ができました。
水入れがなかったので、うどんのお皿と大きめのマグカップを使いました。
あと一枚、やりたいな。おばあちゃんのリクエスト!
やりたくないな。と言っていたおばあちゃんでしたが
2枚目の紙を置くなり、おばあちゃんは、さーっ!と赤を画用紙に出しました。
色をどんどん、重ねました。
画用紙の白い色はあっという間に、虹色になりました。
「出来上がりがうまいとかじゃなくて楽しんだかどうかが大切なぬらし絵はいいね。また、誘ってね。」と言われました。
おばあちゃんの初めてのぬらし絵のお話でした。
そして、次の日
「ちょっと話があるから」と私は母(おばあちゃん)の家に呼ばれました。
そして、メモを渡されました。
「自由に色をぬり合わせながら、色の変化を楽しませ、感性を育てる」。
母(おばあちゃん)は、いくつになっても教育者の魂を持っているのだな。と、ビクッとしました。
絵画は作品を見てもらい感じてもらい人のこころを動かす。ぬらし絵は、母が今まで出会ったことのなかった種類の芸術。
ぬらし絵がどのような意味を持ち、子どもの教育として生かせるかを感じ、私にメモまでして伝えてくれました。
出会ってもらってよかった。そして、お母さんありがとう。
技術も必要なく、好きなように、わーっと色を出す。
夕焼けの色が嬉しいのと同じように、色が嬉しい。
思うように出かけられなくなった母には、心が喜ぶ、ちょうど良い発散でした。
私たちの生活の中にここで手軽にできる新しい楽しみと出会いました。
芸術は、遠い立派なところにだけあるのではなく、人の心の中にあると感じます。
また、おばあちゃんをぬらし絵に誘います。
おばあちゃんとぬらし絵をした日のお話でした。
写真・文:MOMO 店長 もぎしづこ