2016-03-22
《おもちゃ屋の旅 ⑦》建物の芸術『ゲーテアヌム』で空と宇宙とおもちゃに出会う
私たちが遠くても来たかった場所。
スイス ドルナッハにある、『ゲーテアヌム』に来ることが叶いました。

写真:ドルナッハに到着した日、夜の散歩で撮影したゲーテアヌム。
ドルナッハの町の建物や『ゲーテアヌム』は、
自然の美しさを見た時と同じような、喜びを感じる建物でした。

『ゲーテアヌム』は、ルドルフ・シュタイナー氏が設計した建物です。
シュタイナーの芸術を表現する場、学ぶ場、感じる空間、ホールです。
アントロポゾフィー(人智学)協会の本部が置かれているそうです。

ゲーテアヌムのホールの扉の右壁面に描かれた作品
劇場内は撮影してはいけないそうです。劇場の外の建物内を撮影しました。
ゲーテアヌムの中の様子を少しだけ、ブログにさせてください。
※お願い※
申し訳ありません。私はルドルフシュタイナー氏、ゲーテアヌムについて詳しくありません。
大切なことですので、気になることがありましたら、
どうぞ正確なこと、詳しくはお調べくださるようお願いいたします。

ゲストハウス『フリードバルト』をチェックアウトした私たちは
ゲーテアヌムに来ました。
左の手前の建物が『ゲーテアヌム』です。
正面の向こうに見える素敵な建物は、『ゲーテアヌム』よりも古い建物だそうです。
『第1ゲーテアヌム(※)』と同じ頃の建物だそうです。

※『第1ゲーテアヌム』は木造建築でした。1922年に放火により焼失。
その後現在のゲーテアヌムがコンクリートで建設、1928年、シュタイナーの死後完成しました。
今のゲーテアヌムは『第2ゲーテヌム』と呼ばれています。


写真:前日の夜、撮影。
大きな木の扉。

ノブを握って。

ドアは、自動扉でした。ゆっくりと開き、ゆっくりと自動で閉まりました。
私たちは、ゲーテアヌムの中を見学しました。
ゲーテアヌムには大きな劇場があり、演劇やオイリュトミーを上演します。
この日の公演はありませんでした。ゲーテアヌムの中は大きくて静かでした。

大きな大きなホールに、大きな大きな絵が2枚ありました。
エントランスの空間の左脇に『月の絵』がありました。

右には、『太陽の絵』がありました。

ホールには、水が自由に飲める機械がありました。
なんと、炭酸水が飲めました。


ゲーテアヌムの中におじゃまさせてもらいました。
申し込むとツアーもしてくれると聞きました。
ピンク色の壁。
お母さんの体の中にいた(子宮)頃の色がピンク色。と聞いたことがあります。
包まれたように、落ち着きます。

素敵な椅子とテーブル。
前も後ろもない、右も左も、端もない。輪になって向き合えるテーブル。
天井の電気のかたちを見てください。
同じかたちでない、五角形の集まりのかたちの電気です。


木のドアを開けると、階段がありました。
回り階段。何階まであるのかな?と階段を見上げると。

美しい光景! ピンク色から壁の色がだんだんと色が変わっていっています。
用事はないけれど、上まで階段を登りましょう。
ピンク色から、オレンジ色へ。

高いところへ来たね。

もっと、登ると。
オレンジ色から黄色へ。
緑へ。

もっともっと高いね。眺めがいいね〜

黄色から。
緑へ。

そして
一番上に着きました。

一番上は『青の世界』。
その、青の世界の天井に『天窓』。

そしてね。
ゲーテアヌムの一番高いところの青い色の天上の
『天窓』から見えたのは。
本当の『青』、『青い空』だったのです。
写真では写りませんが、窓に美しい『青い空』があったのです。
感動しました。
ゲーテアヌムという建物が私たちに教えてくれました。感じさせてくれました。
母の胎内ピンク色と感じながら、登っていって、登っていって。『空』に出合いました。
大地(赤)と空(青)までの空間を階段の壁面の色で表現しているよう。
大地(赤)で生まれ育ち、こうやって人生を一段一段上って、いつか召されて空(青)に昇る。とか。
地面から空までの『縦の空間』のこと、そしてその縦の繋がりは、宇宙へと繋がっていることを感じました。
と。いろいろな思いを頭に浮かべ、説明の難しい感動を味わいました。

階段を降りて、次は、劇場の正面の階段を上りました。
劇場の入り口のある一番上まで上ると、正面に大きな赤のステンドグラスがあります。

コンクリートの壁の重なりが強く大きく彫刻のように感じました。
線、面、かたち。建物の芸術です。

からだが、彫刻の中に入ったような。。

全てが美しいフォルムの空間です。
ゲーテアヌムで、空間の芸術を感じました。
私たちはゲーテアヌムを出ました。

あっ!ゲーテアヌムの最上階の屋根の天窓から見た、あの青い空だ!
朝は雨模様だった空が青空になりゲーテアヌムの姿を青い空と見ることができました。
*
大地、地球、自然との調和する建物が、シュタイナーの建物のように感じました。
ゲーテアヌムをはじめ、ドルナッハの建物は、まるで「自分は大地から生えてきたのです」というような、
建物なのに、花や木や雲のような生き物のような存在感を感じました。
ゲーテアヌムでは、階段のことだけでも、建物が言わずに教えてくれました。感じさせてくれました。
以前、シュタイナーのお話し会で、先生から「子どもには本物をあたえてください。」と聞きました。
空気・土・光・木・水・植物・布・シルク・花や植物で色を作ったクレヨンや絵の具。
声・歌・響き・音色。みんな、みんな、本物。
子どもに本物を与えるのは難しいことではありません。
地球の中の本物は、こどもに言わないけれど、
長い時間をかけて感覚や、たいせつなことを教えてくれるのです。
大きな建物からも感じるシュタイナーの教育、思想は、
赤ちゃんが持つ小さなモノになったとしても、考えは守られていると感じます。
木・色・香り・かたち・音。
大地、自然、地球とのバランスまで、その小さなおもちゃにはあると思います。
シュタイナーの大きな建物の感動から
小さな赤ちゃんのためのおもちゃのことを
新しい想いで見ることができるようになったこの頃です。
*
そして私たちは、ゲーテアヌムのある町を散歩しました。
ドルナッハの町の散歩に つづく。
文:もぎしづこ
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