【『ミュラー展』採掘作業その5】ミュラー社と4代目リンゴ・ミュラーさん。
(↑リンク先は雑誌の切り抜きをPDFにしたものなのですが、出典が”japanese magazine”としか書かれていません。何の雑誌だか気になりますね。)
elements muller video v4 from Müller GmbH on Vimeo.
スキーの選手とコラボレーションしたモチーフのシリーズをつくったり。
クリスマスの飾り、という印象の強い工芸品をもっと楽しんでもらうために、新しいモチーフの開発にもリンゴさんは熱心に取り組んでいます。
こちらの方はドイツで有名なスキー選手の方だそう。
スキー選手の方とコラボレーションしてスキーを楽しむ人の姿のキャンドルホルダーなども開発しています。
たしかに新鮮でかわいい。
その他のSPORTIVE EDITIONもいろいろあります。おもしろいです。
超高性能オルゴールを開発したり。
リンゴさんの最新作は「オルゴール」です。
オルゴール本体は音楽家の方とのコラボレーションで超高性能なオルゴールだそう。
上のモチーフは取り外しができて、オルゴール本体を1つ持っているといろんなモチーフを付け替えて楽しめるそうです。
Spieluhren from Müller GmbH on Vimeo.
ちなみに、どのくらい高性能かというと、高性能すぎて日本に輸入できないほど!(サポートができないのだそうです。)
実物、聞いてみたいですね。気になる方は動画を見ていただくか、ザイフェンへどうぞ!
イルミネーションのアーチを開発!
最後になりましたが、リンゴ・ミュラーさん最大の発明はなんといってもこちらですよね!
イルミネーションのアーチ!
窓の細かいくり抜きからもれる灯りがとっても綺麗なんです。
確かに電気という新しい技術との融合なのですが、ちゃんと伝統を活かした融合になっていることがとても素晴らしいと思います。
新しいことを生み出そうとするとき、伝統を古いものとして上から潰すことを「更新」だと思って、新しい開発をする風潮を日本ではよく見かける中、
このリンゴ・ミュラーさんのイルミネーションアーチは、115年の伝統をふまえた上で、更にその伝統を新しい世代の人々に届けることのできる可能性をより一層持つものに更新させたものだと思います。
自分が作っているものの美しさを熟知しているからこその発明ですね。
それもそのはず、このアーチはリンゴ・ミュラーさんが『マイスター(職人)』として認められるために作ったものなんです。
“Our present Manager, Ringo Müller, became a master toy maker in 1996. To be awarded the title of a master, he entered to the board the first large and completely illuminated candle arch called Seiffener Dorf (village of Seiffen), which is produced still today (article no. 12000).”
その時のマイスターの証しの証書がこのページで見れます。:http://www.mueller.com/awards.html
リンゴ・ミュラーさん「かっけー!」と思いました。
4代目社長リンゴ・ミュラーさんとは、
115年続く伝統工芸の技術を軸に、
最新の技術との融合で生み出した新しい工芸品で、新たな市場を開拓することで、
古くからの伝統を守ろうとしているすごい人。
<おまけ>
これが『ミュラー』!ミュラーだけの特徴。
最後に、3代目グンター・ミュラーさんが生み出しはじめたミュラーだけの特徴をまとめてみました。
もしミュラー以外のたくさんのアーチやピラミッドが並ぶ場所に遭遇したら、
この特徴をもとにミュラーの作品を探してみてくださいね!
アーチにかかる「雲」のモチーフ
アーチの上にもくもくとかかる軽やかな雲のモチーフは実はミュラーだけのもの!
ピラミッドの「王冠」
ピラミッドの羽根の上に、王冠みたいな部分、見えますか?
実はこの「王冠(crown)」もミュラーだけの目印。木の質感がとってもきれいです。
くるみ割り人形と煙出し人形の「ぷっくりしたおなか」
くるみ割り人形や煙出し人形をつくったのは他の工房にくらべて意外と遅いミュラー社。
独自の形を生もうとつくったのがこのぷっくりしたフォルムでした。
ドイツの人々はビールをたくさん飲みますね。
ドイツには「Bierbauch(ビアバウホ)」という単語があります。意味は「ビール腹」です!
まるで「Bierbauch(ビアバウホ)」みたいなミュラーのお人形達、他の工房ではすっきりお人形が多い中、
ぷくぷくしたミュラーのお人形たちはとってもチャーミングです。
採掘作業もこれでおしまい!
さて、『ミュラー展』も今日でおしまい、この「採掘作業」も今回でおしまいです。
ミュラー社のことを掘って掘って掘りまくった8月も終わります。
ここまで、長い文章をたくさん読んでくださったみなさん、ありがとうございました。
このブログは終わっても、ミュラー社はこれからも続いていくことでしょう。リンゴさんがいますし。
これをきっかけにミュラー社やザイフェンのファンになってしまった私は、
今、ザイフェンに行ったら炭坑夫のモチーフや天使と坑夫を買いあさってしまう予感がします。
どこでもドアが開発されていないくてよかったです。