2014-08-26

『ミュラー展』採掘作業その4】ザイフェンの「(こ)ころの燈台『天使と坑夫』」

(※「その3」の予告から予定を変更してお送りします。)

 

いよいよはじまっていますMOMO夏のミュージアム『ミュラー展』
発掘作業も残すところあと2回!

 

今回は実はザイフェンにとってとっても大事な、外すことのできな大切なモチーフのお話です。
mushimegane_40_b.jpgザイフェンの工芸品を見ていると必ず視界に入ってくるこの2人。
momo2014_engelund_1.jpg
MOMOの『ミュラー展』でも『ピラミッド』よりも『アーチ』よりも先頭にいるこのおふたり。
きっと、展示に足を運んでくださっている方々もこう思っていることでしょう。

 

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「この人たち誰?なんなの??」
 
それもそうですよね。華やかでもないし、なんだか地味目だし。。
ですが!この人たちこそ!ザイフェンの人々にとってとても大切なモチーフだったのです。
 
 
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発掘作業その4
よく見る「この2人」のなぞを掘ったら群馬県民にしかわからない結論に落ち着いたよ!
 
denkyuu_40.jpgザイフェンの村に行くと至る所にいるんです。
この2人組、名前を『天使と坑夫』と言います。
ザイフェンの街に行くと、いろんなところに必ずいるんです。写真をお借りしました。

 

なぜお借りしなければならなかったかと言うと、ザイフェンに言ったはずの社長は『天使と坑夫』の写真を撮っていないんです。

 

そうですよね、だって日本人が求めるような華やかピラミッドとかかわいいアーチとかじゃないんです。

 

denkyuu_40.jpgというか、ザイフェンの工芸品ていうと必ずいるんです。
もちろん、ミュラー社にも『天使と坑夫』のモチーフの燭台がたくさんあります。
オンラインショップにもこの通り、ちゃんと『天使と坑夫』のカテゴリーがあって、種類もたくさんあります。
muller_shop_angel.jpg

 

そして!見てくださいこの写真!
社長がザイフェンでくるみ割り人形を買ったときの工房の方との写真です。
よ〜く背景を見ると・・・
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mushimegane_b.jpg
『天使と坑夫』ばっかり!
いよいよ「なんなんだ!『天使と坑夫』って!」ってなりますよね。
mushimegane_40_b.jpg『天使と坑夫』もやっぱり鉱山の歴史と関係がありました。
『天使と坑夫』の歴史についてはミュラー社のカタログに書いてありました。
wernerbook_mine.jpg

 

ザイフェンは鉱山の村でした。村の男性達はみな鉱山で働いていました。日の出前から、すっかり日が落ちるまで。

 

炭坑での作業はずっと暗闇の中。

 

なので、ザイフェンの男の人たちが見ることができたのはろうそくの灯りだけだったのです。

 

そこから、炭坑夫がろうそくを持つモチーフが生まれました。

 

その横に、ニュルンベルグの街の黄金の天使のモチーフが、家庭のあたたかさのイメージとして加わり、この『天使と坑夫』の燭台のモチーフはザイフェンの人々にとって欠かせない、大切なモチーフになったのでした。

 

angelandminer_museum.jpg

 

ザイフェンのおもちゃ博物館に飾られているたくさんの『天使と坑夫』の燭台たち。
鉱山があるころから、おもちゃ作りも片手間ではありましたが始っていたので、
この『天使と坑夫』のモチーフは鉱山の村であった頃のザイフェンからずっと大切にされているものなのです。
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この『天使と坑夫』のモチーフにもザイフェンの歴史がしっかりと根付いていたのですね。

 

むしろこの『天使と坑夫』の燭台こそがおもちゃの村、木工芸品の村としてのザイフェンのスタートとも言えると思います。

 

denkyuu_40.jpgなので、展示は『天使と坑夫』からはじまります。
この歴史を知ってしまうと、ザイフェンの村からやってきたミュラーの工芸品たち、
まずセンターでお出迎えするのは『天使と坑夫』以外考えられません。
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電球なのにほんもののろうそくみたいに温かい光の最新型『天使と坑夫』がお出迎えします。
小さな『天使と坑夫』もいますよ。本物のろうそくを灯すのもきっときれいですね。
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denkyuu_40.jpgあれ?!これって…つまり…群馬の人しかわからないかもしれないけど…
さて、『天使と坑夫』とそれにまつわるザイフェンの歴史を調べて、思っていました。
「なるほど、ザイフェンの人々にとって『天使と坑夫』は大切なろうそくの光を灯す、心のよりどころのようなものだったんだなあ。。。
だなあ。。。あれ??つまり、これって…
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心の燈台!
『天使と坑夫』ってザイフェンのひとたちにとっての『心の燈台』だ!!」
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群馬県民にしか伝わらなくてごめんなさい!
元ネタは上毛カルタです。
『(こ)ころの燈台 内村鑑三』
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ザイフェンの人々にとって、いつも心の中にあって、思い出すとほっとする『天使と坑夫』。
群馬県民はなぜかみんな「こ」と言われるとでてきてしまう『心の燈台 内村鑑三』(上毛カルタ)。
どちらも知らないとその街の人以外は「なにそれ?」となってしまうところも似ていますね。
sketchbook_matome_r.jpg
ザイフェンの人々にとって『天使と坑夫』は「心の燈台」である。

 

次回は最終回!やっとですが、「その3」の予告の内容、『ミュラー社』についてのお話しです。
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『ミュラー展』、展示の流れもぜひ気にしてみてください。
お待ちしています。
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絵と文:茂木成美(MOMO制作)

 

《『ミュラー展』発掘作業シリーズ》

 

 


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