2013-09-19

としくらえみさんからのお返事。

としくらえみさんの講演会では、ご来場のみなさまからたくさんのご質問をいただきました。
当日は時間の都合でお返事できない質問がたくさんありました。その質問のお返事が届きました。
 

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質問をくださったみなさま、ありがとうございました。
当日ご来場いただけなかった方にもぜひ読んでいただければと思います。
としくらえみさんご自身の経験で、言葉で、お返事をくださいました。
声で、聞こえてきそうです。
丁寧にお答えいただきましたとしくらえみさんに、再び感謝いたします。
 
※カテゴリー分けはMOMOでしたものです。
※としくらえみさんからいただいたお返事をMOMOで一部順番を変えて紹介しています。
 
▷としくらえみさんの講演会の様子はこちら

【目次】

 

<質問のお返事>

シュタイナー教育について 3問

■シュタイナーの手仕事、あそびについて 5問

ドイツシュタイナー学校について 1問

■日本のシュタイナー教育について 4問

■としくらえみさんの子育てについて 5問

■家庭での子育てについて 4問

■日本での教育について 3問

<メッセージ>

<としくらえみさんの本>

<としくらえみさんの教室>

 

<質問のお返事>

 

シュタイナー教育について (3問)

 

【質問】シュタイナー教育の一番の魅力を教えてください。

 

「自由への教育」です。

講座でもお話ししましたが、「自分で考え、自分のこゝろを動かし、自分で行動できる人」。

人がそうなれたら、倖せだと思うし、みなが生き生きと生きられると思います。

 

【質問】シュタイナー教育は素晴らしい哲学だと思いますが、欠点がありましたら教えてください。

 

ひとつは、受ける人の受け取り方。

もうひとつは、いろいろな学校があると思うので、そこにいる教師や親たちのやり方がどうか?だと思います。

シュタイナーの哲学は、ほんとうに「ああ、そうだな!」と共感するのですが、それをそこにいる子どもたちのためにどのようにかたちにするかは周りの大人のやり方にかかってきます。そこにいる子どもを無視して型通りのことや偏った理屈で固めてしまったら、その教育は死んでしまいます。

残念ながら、そういうやり方があることも事実です。

 

【質問】シュタイナー教育を学ぶにはやはり海外に行くべきだと考えますか?

 

わたしは日本ではいくつかの講座(単発の講座や連続のオイリュトミーなど)しか受けた事がないので、比べる事はできないのですが、ドイツは環境も人材も豊かで得るものは多かったです。

 

■シュタイナーの手仕事、あそびについて (5問)

 

【質問】バランス感覚をつけるおすすめの遊びはありますか?

 

たくさんあると思います!

年齢によってできる事は違うと思いますが、野原を走り回る事、坂道を走り回る事から、

自転車、ケンケン、丸太をわたる、木登り、縄跳び、、、

積み木を積む、お料理の盛りつけ、色遊び、、、

 

【質問】ぬらし絵は何歳からできますか?

 

個人差はあると思いますが、目安としては違う色を使うときにコップの中のお水で筆を洗って、タオルで拭く、というやり方ができるようになった頃だと思います。

だいたい3歳くらいだと思いますが、2歳半でもできる子もいます。

でも、焦って早くやらせることもなくて、様子を見てやってみてくださいね。

 

【質問】ぬらし絵は赤、青、黄三原色以外の色は使いませんか?

色を混ぜる事はしないのでしょうか?

 

はい、ぬらし絵のときは3色で十分で、子どもは自分で数えきれないほどたくさんの色を創りだしますよ。

 
 

 

【質問】3歳。この年齢でぬらし絵の絵の具は三原色全部使っていいですか?

 

はい。どの年齢でも、3色会った方がいいですよ。3色の中からその子のバランスを作り出すと思います。

 

【質問】少し繊細なところがあります。芸術療法でできるアプローチがありますか?

 

これはお会いしないと言葉だけでは言えそうにないですが、

お絵描きにしても、子どもが選ぶ色、作り出すかたちで自分でバランスをとっています。その表現をそのまま受け入れてあげてくださいね。

 

ドイツシュタイナー学校について (1問)

 

【質問】シュタイナー学校で障がいのあるお子さんはどのように過ごしていますか?

 

今世界中には、いろいろなかたちの「障がい」があると思うので、ひと言でいうのはとても難しいのですが、

ドイツのシュタイナー学校では、すこし難しい部分がある、というお子さんは、クラスの中に2、3人はいると思います。息子たちが通ったシュタイナー学校には低学年は補助の先生がいることもあり、様子を見て支えながら学んでいました。

ただ、すこし様子を見てやはり十分学びがからだにはいっていないな、という時には、ご両親と相談して「もう一度同じ学年をやり直す」という選択をする場合もあるようです。

それはなにも恥ずかしいことではなく、きちんと味わってから先へ進んでほしいという愛情からです。

また、学校での学びが難しいお子さん、別のアプローチが必要なお子さんには、(たくさんはありませんが)いくつかの「障がいを持つ子どものためのシュタイナー学校」もあります。

 

 

 

 

 

■日本のシュタイナー教育について (4問)

 

【質問】日本でシュタイナー教育を学ぶとしたらどのような方法がいいと思いますか?

 

いくつかのシュタイナー学校(横浜、藤野、京田辺)で行われている『講座』も面白いと思います。 

わたしが学ぶ中で思ったのは、「○○先生が言ったから」ではなく、シュタイナーの著書(講演録)を読んで、本質を自分でつかむといいと思います。

 

【質問】日本にシュタイナー幼稚園はありますか?

 

取り入れているところはたくさんあると思いますが、高崎方面ではよく知りません。

どこもカラーが違うと思うので、見学させてもらうといいと思いますよ。

 

【質問】日本のシュタイナー学校は?

 

わたしの息子たちは今は京田辺シュタイナー学校に通っています。とても素敵な学校ですよ。

ほかに藤野シュタイナー学園、横浜シュタイナー学校、北海道のシュタイナー学校があります。

が、実際に知っているのは、藤野と京田辺だけです。

 

【質問】シュタイナー幼稚園や学校に行かないなら、どのようなポイントで選べばいいですか?

(群馬にはあまり選択肢がないので)

 

わたしなら・・・とにかく普段の保育を見学させてもらいます。そして、保育者の方達の雰囲気を感じます。できたら園長先生や主任の先生にお話を伺って、大事にしている点が、わたしたちの思いと重なればいいと思います。

 
 

■としくらえみさんの子育てについて (5問)

 

【質問】お子さんは今いくつですか?今、どんな学校に通われていますか?

 

14歳(9年生)と12歳(7年生)です。

京都の京田辺シュタイナー学校に1年半前から通っています。

ドイツから帰って来てからその後は、東京の公立の小学校、そして長男は自分で選んで音楽大学付属の中学校に入っていました。

 

 

【質問】ドイツで言葉の面はだいじょうぶでしたか?

 

いまだに上手には話せないのですが、わたしの場合、幼稚園や絵の学校だったので、周りに助けられながらどうにか乗り切りました!

 

 

【質問】としくらさんのお子さんはドイツ人の中で馴染んでましたか?ドイツ人以外の子もいましたか?

いじめはないのですか?

 

息子たちが行っていたシュタイナー学校には他に日本人はいませんでした。(ドイツ人以外の子もいましたが、ずっとドイツに住んでいる子たちなのでドイツ語は不自由なく)

初めは、馴染めるかな?とわたしは少し思っていたのですが、なんと1日目からお友達の中にすーっと入っていきました。(日本ではそれが難しい子たちだったんですよ!)

わたしの何回かの留学でもそうだったのですが、わたしたちにとってドイツはとても自然体で、居心地がいいようです。

こちらからもその国の文化に入っていこうという気持ちも大切だと思います。

 

いわゆる「いじめ」はなかったですね。でも子どもだからしょっちゅうケンカはする。でも、言いたい事言い合って、時にはぶったり蹴ったりもあるけれど、次に会ったときには後腐れなくまた遊んでる。そんな感じです。

それは大人も同じで、思った事は陰でコソコソ言わないで、本人としっかり話します。先生であろうと同じです。

だから、お互いの気持ちも理解し合いやすいのだと思います。

 

 

【質問】今、としくらさんのお子さんはご自分の経験をどのように思っているのでしょうか?

 

これは子どもたちに聞いてみたのですが、「ドイツは行けてよかった。」と。

あの2年間は、当時も今考えても本当に楽しい時間だったので、そう言えるのだと思います。

また、子どもたちがちょうどいい年齢だったのかも知れません。

じゃあ、今からならどう?と聞くと、

長男は「もうドイツ語がついていけないから、日本のほうがいい」

次男は「またドイツに住みたい」と言っています。

 

【質問】シュタイナーを取り入れたご自身の子育てお子さんは○○のように育ったというエピソードがあれば教えてください。

 

わぁ、これは難しい質問ですね!

今はまだわからないかな。まだプロセスという気がします。

小学生くらいまでは、なんだか闘争心がなくて穏やかな感じでしたが、

最近では長男と次男の個性が際立ってきたように思います。そして反抗期もあって「ボクはママとは違う。ボクはこれがやりたい」というのを言葉には言わなくても態度で表しているようです。

 

■家庭での子育てについて (4問)

 

【質問】小学生の子が野菜を切ったりしたがります。どんな包丁がいいですか?

 

子供用の包丁を使いましたよ。

わたしは近くのデパートで買いましたが、こんな感じのものです。

 

【質問】我が家は2歳差で3人の子どもがいます。姉弟間で育んでいけるような何かお話が聞きたいです。

 

うちは2歳差で男の子二人です。3人だとまた年齢も幅がありますね。

むりに一緒に遊ばせようと思うと大変だと思いますが、小さいうちはおままごとは楽しいと思います。毎日の生活のように様々なお話ができますから。

あと、自然の中に出て行く。わたしは子どもたちを連れて毎日公園で遊んでいました。砂遊び、葉っぱやドングリを拾う、なにか作る。水遊び、庭仕事、土の上にお絵描きしたり、固定遊具で上のこのするのを見てまねっこしてみたり。

子どもたちがどんどん遊びを作り出すと思いますよ。

紙や粘土で工作も一緒にできると思います。

 

【質問】2歳半の子がいます。2年保育に決めましたが、まわりの友達がほとんど3年保育なので、

来年どう過ごそうか模索しています。何かアドヴァイスありますか?

 

わたしの息子たちは1月、2月生まれで2年保育も考えましたが、ゆったりしたいい幼稚園を見つけたので「ここなら入れたい」と思って3年保育にしました。

もし入れなくても、公園に行くと誰かしらお友達がいましたし(年下も赤ちゃんも)、

時には遠出して違う自然の中で家族だけで過ごすのもいいと思いますよ。

幼児期はお友達と遊ぶ事だけでなく、一人遊びや家族とのゆったりした時間も大事だと思います。

わたしはそういうのも好きです。

 

【質問】3歳9ヶ月です。2年保育にして今年は家で過ごす事にしましたが、リズム作りのこつをおしえてください。

 

朝起きて、ご飯、公園 お昼ご飯、お昼寝、お買い物、ご飯、お風呂、絵本を読んで、寝る

これはちょっとした例ですが、こんな感じに毎日同じような緩やかな流れの中に過ごせるといいと思います。

もちろん時々は用事があったり、お出かけもあるでしょう。

そのおうちのリズムを作ってみてくださいね。

 

■日本での教育について (3問)

 

【質問】日本に帰って来てから、日本の社会で子育てで困った事ありましたか?

そのようなとき、どのように、ご自身で解決していましたか?

 

子どもたちとドイツへ行ったのも2年だけなので、基本日本で子育てしています。

子どもたちが赤ちゃんのときから、毎日公園で遊んだ仲間が何人もいたので、いろいろ相談したり助け合っていっていました。

園も学校も先生も保護者も、いろいろな人がいて、決して思い通りにはいかないですね。

悲しい思いをしたり怒ったり・・・いろいろありますが、とにかくわかり合えるようによく話し合いましたよ。そうしたら、全員ではないけれどちゃんと理解し合えるいい友人もできました。

人間関係はどこも難しいですね。

 

 

【質問】幼稚園に入ってから絵が変わってしまった気がします。お父さんの絵を描くときに先生が「肌は肌色、髪は黒・・・」と教えてもらったそうです。最近ではぶどう狩りの絵がみんな同じで怖くなりました。

絵の具を渡して好きに描いていいよ、といってもすぐに飽きてしまってこの先どうしたらいいでしょう?

 

絵は、本来お勉強でも技術でもなくて、子どもの楽しい遊びで、その子の表現なので、

大人が教えてしまうのはとても残念ですね。

でも、お家でできることもたくさんあるので、安心してくださいね。

自分で描きたくなったとき描けるように、いつでも手の届くところに紙とクレヨンを用意してあげておいたらいいと思います。

ママやパパと同じ紙に一緒にお絵かきしたり、好きに描くと楽しいな~となるといいですね。

 
 

【質問】日本の教育をよりよいものにしていくために、ひとりの人間として何をしていったらいいと思いますか?

 

わたしもいつもそう思います。

まずは一人一人を、かけがえのないひとりと先生が受け入れて毎日を過ごすことだと思います。

何かができるようになることは大事だけれど、みんなできる時期が違ったりします。子どもたちが自分に自信を無くす事がなく、学んでいけたらいいと思います。

みんなと同じにという「前へ習え」の教育はやめてほしいです。

その子の好きな事をのばしていく、難しい事は支えていく。そんな愛情と余裕が必要かな。

それには気づいた人が、自分のであった子から始めたらいいと思います。そうやって受け入れられて幸せな子どもが増えたらいいと思います。

 

<メッセージ>

 

質問をくださったみなさま、感想をくださった方、ありがとうございます。

今回はスライド中心で、手仕事もあり、十分に質問に答えられずすみませんでした!

対面でないお返事になってしまったけれど、思いがつたわるといいな、と思います。

 

絵の事は、MOMOの茂木さんもいろいろご存知なので聞いてみてくださいね。

そして、いつかわたしもみなさんとぬらし絵やクレヨンのワークショップもできたらいいのにな~と思っています。

 

お友達と比べてしまうと不安になる事もあるかもしれませんが、子どもは、どの子どもも大きな力を持っています。好きな事をたっぷり遊んだらいいと思います。

子どもの可能性を信じて、のんびりと子育てを楽しんで頂けたら、と思います。

シュタイナー教育では幼児期は、からだをつくること、感覚を育てること、意思を育てることを大事にしています。それだけで十分です。

そのために本物のいい素材とであって、創りだして生きていきます。そうやって生きる力に満ちた子どもになると思いますよー。

 

わたしもまだまだ子育て中。

困った事いっぱいで、悩む事だらけですが、助けられて過ごしています。

子育てはママさんだけの仕事じゃなくて、まわりにいるみんなに助けてもらいながら、支えてもらいながらできたらいいですね。

ゆるやかに支え合う関係。その輪の中にわたしもみなさんもMOMOさんも一緒です。

 

                            としくらえみ

 

 

<としくらえみさんの本>

 

もっと詳しく知りたくなった方のために、MOMOでとしくらえみさんの本をまとめてみました。

※MOMO店内でもご紹介・販売をしています。ぜひご覧ください。

 

☆ドイツのシュタイナー幼稚園についてもっと詳しく知りたい方に

としくらえみさんが20代で単身渡ったドイツで出会ったシュタイナー幼稚園の様子を書かれた本です。

『魂の幼児教育〜私の体験したシュタイナー幼稚園〜』

シュタイナーのぬらし絵・手仕事についてもっと詳しく知りたい方に

シュタイナーの幼児絵画理論と技法を紹介されている本です。

子ども・絵・色〜シュタイナー絵画教室の中から〜

 

としくらえみさんご自身の子育てについてもっと詳しく知りたい方に

シュタイナー幼児教育家・としくらえみさんの実体験による家庭でできるシュタイナー教育の本です。

『ちいさな子のいる場所〜妊娠・出産・私の家のシュタイナー教育〜』

お子さんと家庭で一緒にできるシュタイナーの手仕事をもっと知りたい方に

たくさんの写真でとしくらえみさんのお子さんとえみさんが手仕事を楽しむ様子が見れます。

雑誌『クーヨン』で連載されていたシリーズが本になったものです。

『キンダーライムなひととき』

<としくらえみさんの教室>

 

としくらえみさんは現在、京都でアトリエを開いています。

お子さんのための教室や大人のためのクラスもあります。

京都にお住まいの方はぜひおたずねください。

 

アトリエ『キンダーライム』

 


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営業情報 (※2024年11月1日現在)

MOMO
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